Tensei Shitara Slime Datta Ken
/ Tensei Shitara Slime Datta Ken Chapter 154
有り得ぬような惨状が、目の前に広がっている。
既に敗北は決定的なのだが、余りにも戦の進行速度が速すぎて、撤退のタイミングを逸してしまっている。
しかし、その判断は決定的に遅すぎた。
「あら？ まさか中止なんて言いませんわよね？
進入するなら容赦しない、と。
以前もこの世にお邪魔した時、きちんと召喚して下さった方の望みは叶えましたもの。
貴方方にも、きちんと報いて差し上げますよ」
美しい貌に満面の笑顔。
「Yo, you bastard!」 「Ah? It seems you forget about it. What an impolite gentlemen」 「き、貴様は！」
失礼な殿方ですわね」
忘れようも無い程美しい、緋色の髪を靡かせて。
恐怖を押し殺し、ガスターは部下に攻撃命令を下そうとする。
「I don’t really know what you’re going to do, but your subordinates are sleeping. They seems tired, and will not get up anymore」
疲れていたのでしょう、もう起き上がる事は出来ないようですね」
Her movement speed was too fast. Even thought he was not careless and he never take his eyes off of her. Also, the most frightful matter was he didn’t heard any sound at all. Gastar’s Unique Skill『Musician』, enable him to sense the enemy’s movement from the sound. No matter how expert someone is, they couldn’t prevent making a faint sound, also, it’s possible for him to even grasp the heartbeat sounds. But, he didn’t heard any sound at all. And, he noticed another frightening thing at that time. From his fallen down subordinates too, he heard no sound. Because they all dead. そうテスタロッサが耳元で囁いた。
決して目を離さず、油断していた訳では無いのに。
ガスターの持つユニークスキル『演奏者』は、音により相手の移動を察知する事も可能であった。
だが、全く音がしない。
倒れている部下達からも、何の音も聞こえなくなっていたのである。
「Yo, you….. were you the one that killed my subordinates!?」
To Gastar’s shout,
「Ah? It’s because I’m a bit hungry, so I only ate a bit, you know?」
Testarossa answers without being timid.
「You ate, you say? What do you eat? 「Yes, just a bit of the soul」
「ええ、魂を少し」
簡単にそう告げられて、ガスターは激昂した。
「Die, you damn demon! Mind Requiem (Spirit Death Funeral Tune)!!」
He scatter a killing sound to the surrounding space that have special effects to influence the spirit and cause it to die. It was Lieutenant general Gastar’s trump card that could even kill a spiritual life form. Despite this fact,
精神生命体すらも殺害可能な、ガスター中将の奥の手だった。
「Ah, a pleasant tune. It’s too good to be made by a mere human. It’s unfortunate, because I need to kill such an amazing musician like you」
残念ですわ、こんなに素晴らしい音楽家である貴方を、殺さなければならないのだから」
うっとりとした表情を悲しげに曇らせて、テスタロッサが呟いた。
美しい外見に惑わされていたが、間違いなく目の前の美女は、人外だったのだ。
ひょっとすると、暴れまわっている暴力の化身のような、あの魔狼型魔人よりも上位者かも知れない。
この上、まだヴェルドラなどの天災級の魔物が控えているのだから。
「待ってくれ、取引がしたい！」
「お、俺は帝国でも階級が高い。
役に立つ事を約束する。だから、命だけは助けて欲しい！」
恥も外聞も投げ捨てて、命乞いをするガスター。
ガスターの"耳"に、数名の者が接近する音が聞こえていたのだ。
Gastar thought by intuition, of the identity of the people approaching him. Probably, it was people who sneak into to give situation report and monitor the battlefield, the subordinates of Empire Intelligence Bureau. The Intelligence Bureau Staff or called Intelligence agent are holders of first-class combat abilities. Although they has superior combat ability, they didn’t participate in the rank deciding battle. They belongs to the Empire Intelligence Bureau, and they wouldn’t be transferred out from there. Kondou Tatsuya, a cunning “Otherworlder”. They were the diverse people who were active under him. If it’s Kondou Tasuya, it will be not strange that he can assume such situation like this and had taken several measures for it. Therefore, Gastar intended to buy some time by doing anything even if its begging for his life. However, his hope was smashed. Because all hope was used up in the beginning they met Testarossa.
恐らくは、戦場を監視し状況報告をする目的で忍び込んでいた、帝国情報局の手の者だろう。
彼等は上位の戦闘能力があるにも関わらず、序列強奪戦に参加する事は無い。
近藤達也タツヤ コンドウという、油断ならない"異世界人"。
近藤達也タツヤ コンドウならば、このような事態を想定して、幾つもの手段を講じていても不思議ではない。
しかし、その希望は打ち砕かれる。
「Damn you demon, had you revived!?」
Shouting so, people who belong to the Intelligence Bureau draw near unnoticed to Testarossa by sneaking under the cover of the general soldier and attacked her. Those people seal off Testarossa’s movement from three sides with the chain made from the weaved monster’s fur. It’s the strongest special move formation that can suppressed high rank monster――even an Arc Demon too. The elites of the Intelligence Bureau which hunts monster in team of three. ‘I did it!’ Gastar raised a cheers inside his mind, at that time,
魔物の毛を織り込んで作られた鎖にて、三方からテスタロッサの動きを封じる者達。
三位一体で魔物を狩る、情報局のエリート達。
「Ah, oh my oh my. This is nostalgic. You guys are the one who defeated me before right? I’m so happy. I was not able to eat to my heart’s content because I was disturbed at that time. I haven’t forgot the grudge from that time you know. Even so…. Will it be alright? To use the same technique once again like that time now?」
嬉しいわ。
あの時の恨み、忘れてはおりませんわよ。
あの時と全く同じ技が、もう一度通用するとでも？」
邪悪な意思が込められた、テスタロッサの声が聞こえた。
「フッ、化け物が！ この邪悪な気配、あの時の上位魔将アークデーモンか！」
「貴様の居場所は此処には無い。我等が居る限り、貴様の好きにはさせん！」
Gastar begins to move as he came to his sense after the three people talked to him. In panic, he was going to notify the entire army with his Unique Skill『Musician』but,
慌てて、ユニークスキル『演奏者』にて全軍に通達しようとしたのだが、
「ねえ？ そんな事、許されると思うの？」
首筋に、冷たく魂をも凍えさせそうな、繊細な女の手の感触を感じた。
魔物の毛が織り込まれた、聖銀を鍛えし鎖は、伝説級レジェンドでも上位性能を有するというのも虚しい程に、破壊され、砕かれていた。
その表情に、焦燥と混乱が浮かんでいた。
そして、そんな彼等を更なる苦難が襲った。
「Testarossa, you still haven’t kill them yet? Even though Rimuru-sama had command us to let out all of our power, you will get scolded you know?」
リムル様が全力を出せと仰せなのに、怒られるよ？」
そう言いながら、紫紺の長髪をポニーテールにした少女が空から降って来た。
たった一人を相手取っても厳しい状況の中で、この援軍は致命的であった。
その三名は、自分達ならば一対一であっても上位魔将アークデーモンクラスをも斃せると自負していた。
戦況は不利と断じる必要があった。
「ガスター殿、ここは一旦引きます」
そうガスターに断りを入れ、一人が転移魔法の詠唱に入った。
直後、
Because I met familiar faces after a long time, unconsciously it became a long talk. Ultima, I request a memory extraction on this person」 「Ooke~. What will Testa do?」 「I’m still not full. So, I will have a little meal. Because it’s familiar faces from a long time ago, you see」 「実力を弁えぬ者って、私、嫌いだわ。
ウルティマ、この者の記憶抽出をお願い」
「私、まだ満腹では無いの。なので、少しお食事を。
Testarossa have a lovely smile. But, that smile was like ill omen itself.
だが、その笑顔は不吉そのもの。
しかし――転移魔法は発動しなかった。
「ば、馬鹿な！ 何故だ！？」
動揺する術者を嘲笑うように。
「何が不思議なの？ 魔素撹乱放射マジックキャンセラーの使い方、間違っていないでしょう？」
「What did you say? Magic Canceller!?」 「No way, even reproduction by magic…...!?」
「まさか、魔法で再現したとでも……！？」
思念リンクにより、悪魔達は情報を共有していた。
しかし、そんな事は人間の常識では計り知れない次元の話であり、三人の情報局職員には理解出来る話では無い。
「You, what the hell are you!? There’s no way an Arc Demon have power to that extent!!」
その叫びを愉しそうに聞いて、テスタロッサは微笑みを深めた。
「ええ、そうね。私は上位魔将アークデーモンよりは上位の存在だわね。
一緒に見えるのかしら？
The answer of their question was an affirmative just like she said. And,
そして、
「じゃあ、名残惜しいけれど、お別れね」
と、告げた。
彼等は、自らが相対したものの真なる正体に気付く事もなく、死を迎える事になったのだ。
深遠の闇より、黒き炎が呼び出される。
悪魔テスタロッサは嗤い、
「"死の祝福デスストリーク"」
瞬間、握りつぶされた黒い炎が、黒い光を周囲に拡散させ撒き散らす。
物理的に破壊を齎す事は無いのだが、とある特徴を持っていた。
遺伝子を強制的に書き換える事により、ほぼ全ての生物を強制的に死滅させる。
ただし、その目的は別にあると伝承には伝わっている。
肉体の完全破壊からの再生が可能な者のみなのだ。
唯一、聖光結界のみが対抗手段とされていた。
百万人に一人が、その身を魔物に転じる事で、その命を永らえさせる。
ただし、この魔法での魔物化の成功例は存在しない。
この魔法こそが、最悪の禁呪。
半径500mに制限された範囲において、凶暴な死の暴威が吹き荒れた。
自分を含む悪魔にとっては、この魔法は何の意味も無い。
残念なのは、敵味方を問わず、範囲内の生物を殺しつくしてしまう点である。
なので、500mに指定する必要があったのだ。
「この辺一体、全て皆殺しになったね。
「ええ、その為に、人間だけを掃除したのだもの。
「仕方ないよ！ リムル様は、ボク達には戦うなって言っていたし。
だけど、ボクも空に浮かんでた玩具を壊さない方が良かったかな？」
あれでは、サンプルの採取が難しいかも知れないわね」
あれ、脆すぎるんだよ。 一つだけ壊す積もりだったのに、一杯壊れちゃった」
それで問題ないと思う事にしましょう」
そう話し合い、その会話を終わらせるテスタロッサとウルティマ。
"死の祝福デスストリーク"により殺すと同時に、きちんと魂の刈り取りまで為されている。
今回のように、魂の刈り取りを同時に行った場合、生存率は完全にゼロとなるのだ。
嘗て自身を倒した者の最後を見ても、テスタロッサに感慨は無い。
こうして、帝国軍の作戦司令部が完全に沈黙した事により、この戦場での魔物の国テンペストの勝利が確定した。
戦場は、殲滅戦へとその様相を転じる事になるのである。
[1] This is魔人 Majin. [2] This is悪魔 Akuma.
Chapter end
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